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ファイブワン コンテンツ コンテンツナンバー10 ファイブワン ファクトリー視察編

ファイブワン自社工場をレポート。
オーダースーツの作り手であるファイブワン・ファクトリーは、他のオーダースーツと何が違うのか。

大阪府枚方市の小高い丘の上に、平屋建てを2015年フルリニューアルした工場はあります。
大阪は古くから縫製業を営む職人が多い町として知られ、職出しと呼ばれる、内職さんや外注さんの数は、総数で100名以上。ファイブワンの社員だけでは、作れない技術を地域全体で実現してきました。

ファイブワン・ファクトリーのオーダースーツづくりは人づくりから・・・
450にも及ぶオーダースーツの工程をわかりやすく説明
スーツ縫製工場は、大きく分けて3つの方式に分けることが可能です。

1、職人さんの丸縫
2、職人さんの分業によるライン縫製
3、接着縫製による工業生産

1番目と2番目は、総毛芯仕立てというイギリスの伝統的な作りで、3番目は、イージーオーダステムという方式です。
ファイブワンは、2番目です。工程ごとに職人さんの技術力が安定するため、綺麗で繊細な仕上がりが特徴です。40人の縫製技術を結集して、1日60着程度のジャケットを生産しています。少ないと感じますが、総毛芯仕立てのオーダースーツを年間15000着程度仕立てるには、1人のテーラーだと500人のテーラーが必要となります。 ものすごいマンパワーであることがお分かり頂けたと思います。
もう少し詳しく、マンパワーによる仕事をご紹介。

オーダースーツショップからご注文を受け付ける業務部

お客様の型紙を制作するCAD室・型紙を修正するパターン室

生地を裁断する裁断士

各部のパーツを制作するパーツ外注

オーダースーツの着心地は、アイロンワークとイセ込みの分量で決まる
袖に手を通せば、着心地の良いスースは、肩に吸い付いたような軽さを感じるはずです。
少しでも違和感があれば、それだけ無理があるということです。
作り手は、様々な研究により、型紙・縫製などで改善を重ねてきましたが、アイロンワークによりイセ分量の多い芯据えを実現することが、着心地を高めるベストな選択であると、テーラーから聞いたことがあります。ファイブワンでは、ハンドメイド主体での芯据えを行い、縫製途中にアイロンワークによりイセ分量を多くとることを、ライン縫製の中で行っています。

工場内には、ボイラー設備により、中間工程アイロンが縫製部分ごとに設置されており、縫製とアイロンで形を安定させることで立体的で、着心地の良い服になります。

日本の洋服文化を世界に通用するレベルにすることが私たちの目的です。
イタリアのピッティウォモには、毎年数多くのテーラードブランドが出展されていますが、オリジナルの特徴をアイコンとして受け入れられているブランドは、知名度も高く世界的に売れていたりします。
ファイブワンは特徴が少ないシンプルでクラシックな型紙が最大の特徴です。
スーツモデルのYMJシリーズは、見た目にスタイリッシュで細身のラインを強調しながらも、中では着心地に優れ、肩回りの動きやすさは、世界に誇れる技術力によるものです。

着用頂ければ、初めてスーツを着る方にも分かって頂けるような、シンプルな良さを追求しています。

一見同じようなスーツかもしれませんが、ファイブワンのスーツは、前から見た時にラペルの雰囲気と、肩回りのイセ込み分量の多さで、一目瞭然にわかります。

本物のオーダースーツは、職人の技術が継承されなければ、作り続けることが出来ないのです。

若手の職人にすべてが託されている今、ファイブワン・ファクトリー製のスーツをより多くの方に知って頂ければ幸いです。

レポート/文 FIVEONE 代表 森俊彦