しつけ糸の理由
こんにちは。ファイブワンの藤原です。
先日、電車に乗っているとベント(ジャケットの背腰部分の切れ目)にしつけ糸をつけたままの方を見ました。 お声をかけようかと思いましたが、次の駅で降りられたので無理でした…。
そもそも、「しつけ糸」は何の為に付いているのか? 本日は「しつけ糸」についてお話しします。
一言でいうと、しつけ糸とは、縫い目やスーツの形を正しく整える為の仮の糸
FIVEONE【ファイブワン】のスーツ・ジャケットは、お客様にお渡しする際に、下記の3カ所に「しつけ糸」を残したまま納品されます。
◆胸ポケット
◆腰ポケット (フラップ有無関係なく)
◆ベント (センターベントであれば1ヵ所、サイドベントであれば2ヶ所、ノーベントであれば無)の3ヵ所にしつけ糸がつけられています。
しつけ糸は、胸や腰のポケットの裏地や表地を正しく整える為のものですので、裁断後に縫い合わされ、縫製の最初の作業から付けられます。 工程上、必ず用いらなければいけない作業になります。
「縫われてしまっていてポケットが使えない」と仰られる方もいらっしゃいますが、実はわたくしは、腰ポケットのしつけ糸はそのまま切らずに着用しております。 なぜならば、腰ポケットに物を入れるとシルエットが崩れますし、よれよれになってきてしますからです。 それなら「ポケットいらないじゃないの?」と思われますが、腰ポケットは重要なデザインでもあるので必要なのです。その理由は、次回のブログで御紹介しますね。
ちなみに、胸ポケットのしつけ糸は、チーフを入れる為に切ります。もちろん、ベントは絶対に切ります。小物を入れる際は、内側のポケットを活用してます。ファイブワンのオーダースーツは、必要に応じて内ポケットの選択も自由にできます。もちろん、用途(個人差)がありますからオーダーの際にスタッフに御相談ください。
少しでも参考にして頂けたら幸いです。
おまけ「しつけ糸での演出」
レオン12月号・Etro(エトロ)のカシミアジャケットが実におもしろい。
記事からの抜粋ですが、手仕事が味わえる上に、袖丈やボタン位置などを微調整してからのお渡し。
こんな「演出」もありですね。
藤原 愛之
今日のオーダースーツコーディネートはどんなの?