先日、FOX BROTHERS社長ダグラス・コルドー氏の来日記念トークショーへ行って参りました。

FOX BROTHERSといえばフランネル、フランネルといえばFOX BROTHERSと言われるぐらい大変有名な生地ブランドで、皆さんも名前だけでも聞かれたことがあるかもしれません。創業1772年と大変歴史あるブランドで過去にはウィンザー公、ウィンストン・チャーチル、ケリー・グラントなどなど名だたる著名人がこの生地を身に纏っています。

しかし、なぜこんなにも多くの著名人から愛され続けているのか。そこにはやはり秘密がありました。やろうと思えば完全オートメーション化も出来るそうですが、今も創業当初のレシピと変わらない製法を守り、人の手作業を信じ多用し続けています。そうすることでクオリティを守り続けているのです。アーカイブを紐解くと、驚くことに代表的なグレーフランネルは創業翌年の1773年から作り続けられているそうです。また、大変興味深かった一つに、ある工程において一人の女性がすべての生地を担当している箇所があり、たとえ機械を導入したとしても彼女の方が正確で早いそうです。しかも面白いことに、彼女の家族が4代続けて同じ工程を担当しているそうです。

これらの話を聞いた時にふと思ったことがあります。私たちファイブワンのスーツも手作業を多用することでクオリティを追求し、お客様へご提供させていただいています。そのアプローチはファイブワンとFOX BROTHERSは共通するものがあり、お客様に少しでも良い商品を届けたいという想いは世界も同じなのだなと感じました。

FOX BROTHERSの生地でAWシーズン早々にジャケット&ジレをご注文いただきました。

以前からご担当させていただいているお客様なので、ある程度のワードローブは理解しているつもりです。お持ちのジャケットに今までブラウン系をお持ちではなかったのでこの色柄をお勧めさせていただきました。中に合わせるのはシャツではなく主にタートルネックのニット。ご注文の段階で何色のニットを合わせようか、ジレを挟むべきかどうか、などなど楽しいオーダーでした。単なるジャケットのオーダーだけをするのではなく、ご注文の時点でコーディネートを含めたスタイルを決めていきました。『どういう自分になりたいのか。どう人から見られたいのか。』というのはやはりオーダーの時点でコーディネートを考えながら決めていくことが大切だと思います。

このFOX BROTHERSをお勧めした理由はこうです。お客様は当初ホームスパンの生地をお探しでした。私が今季の生地の中でお客様の好みに合う生地がないと判断したことと、それに代わる生地としてFOX BROTHERSの生地感や色柄などを気に入ってくれると思ったからです。生地としてはややしっかりめの340~370g/mのウェイトですが、ファイブワンの仕立てであれば着心地は軽く仕上がります。また、ニットなどのアイテムとの相性を考え、パットやタレ綿を省きマニカカミーチャ仕様にする事でさらに軽い仕立てを目指しました。実際ご試着をいただいた時にはとても軽いというお言葉をいただきました。

実はこのお客様、このFOX BROTHERSの生地を大変気に入ってくださり、色違いのジャケットをご注文いただいています。ご注意ください。FOX BROTHERSは人を虜にする魅力を持っているようです。笑

福岡店

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