日常にスーツやジャケットスタイルを取り入れる大人にとって、パンツの「シルエット」は全体の印象を決める極めて重要な要素です。今回は、写真で紹介する2つのスタイルを通して、「美しいシルエットのパンツとは何か」を深掘りしていきます。

1. シルエットの美学：腰から裾までの“流れ”が命

まずはこちらの写真をご覧ください。

【LOOK 1】

• 色：柔らかなモカブラウン
• シルエット：ツータックで腰回りに適度なゆとり、裾にかけて緩やかにテーパード
• 裾口：ダブル仕上げ、ローファーとのバランスが絶妙
• 素材感：滑らかで、ドレープが美しい

このスタイルは、「ドレープの効いたクラシックなシルエット」が魅力です。タックによって腰回りに立体感が生まれ、歩いたときや立ち姿でパンツが自然に流れるように見えます。特に足元のタッセルローファーとの合わせが、程よくドレッシーで上品な印象に。

【LOOK 2】

• 色：落ち着いたチョコレートブラウン
• シルエット：ツータックでややスリムなライン
• 裾口：ダブル仕上げ、ブラックのローファーとのマッチング
• 素材感：リネン特有の質感で、ハリのある構築的な印象

こちらはより「ミニマルで現代的なシルエット」。腰回りは適度にフィットしつつ、太すぎず細すぎない絶妙なラインで脚を長く見せてくれます。ブルーのニットとの相性も良く、全体の印象にクリーンさと知的さが加わります。

2. 美しいパンツを選ぶ3つのポイント

① 腰回りの立体感

タックの入れ方やヒップのカッティングにより、腰回りのシルエットは大きく変わります。LOOK 1はクラシカルで余裕ある雰囲気を演出し、LOOK 2はスッキリとした都会的な印象に。

② テーパードの角度

テーパードの角度が浅いとクラシックに、急だとモードに寄ります。着用シーンに応じて選び分けるのがおすすめ。

③ 裾の仕上げ（シングル or ダブル）

裾をダブル仕上げにすると重心が下がり、足元に品格と安定感を与えます。これはタッセルローファーやレザーシューズとの相性が特に良く、よりドレッシーな印象に。

3. 品格は“シルエット”から生まれる

ジャケットやシャツと違い、パンツは一見シンプルに見えますが、その「シルエット」こそがスタイル全体を支配します。適切なフィット感と美しいライン、計算されたタックや裾のバランスが、日常の着こなしに格の違いを生むのです。

「シンプルだけど洗練されている」
そんな印象を与えるパンツを、あなたのワードローブにも取り入れてみませんか？

福岡店
吉住