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【2025AW新入荷生地紹介】 VBC 「WOOL&MOHAIR SUITING」|FIVEONE大阪本店

こんにちは

本日は8月29日。

8月も終わり、いよいよ秋が近づいてきました。

秋といえば皆様、何を思い浮かべますか?
そう、コオロギですね。
蟋蟀、蛬、蛩、蛼。どの字を思い浮かべたかは人それぞれとしても、
秋らしいあの鳴き声を皆様きっと思い浮かんだはずです。
異論は認めません。

中国や東南アジアでは常食であり、なんとなく「アジア」なイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、
コオロギを飼ってその鳴き声を楽しむ文化は世界各地で見られ、ヨーロッパでも長年親しまれてきました。

例えば17世紀頃、ドイツの木工職人のカタログには定番商品として
「コオロギの家」なるものがあったようです。
基本的には大きなドールハウスの中でコオロギを飼っておくようなもので、
コオロギを見て楽しむのが主目的ではなく網などで中が見えるようになっておらず
小窓やドアから餌を入れて飼育しており、3-4つの部屋をもつ集合住宅では
三重唱や四重奏を楽しむこともできたそうです。
「ハウス自体もインテリアとして映えるし、美しい音もなる」ということで
それなりに需要があったようです。

他にもイタリアのフィレンツェではフェスタ デル グリーロ、
コオロギ祭なんてイベントがあったりします。
キリスト教の祝祭日の一つである昇天祭にスチィーネ公園で行われ、
コオロギを伝統的なカラフルな箱に入れて売っていました。
コオロギは春の象徴で、幸せを運んでくると信じられ人々は
祭りで購入した虫籠を窓際に吊るしていたそうです。

※ちなみにドイツでもイタリアでも動物保護の観点から
現在コオロギの飼育は禁止されていますので、
ドイツではいまやコオロギの家の販売そのものが禁止され、
コオロギ祭で売られるコオロギも現在は複製になっています。


各国のコオロギの扱われ方は結構違いがあって面白いですね。
昔から「所かわれば品変わる」と言いますが、場所や環境が変われば
その土地の習慣や文化、価値観も異なるし同じ物事でも、
異なる土地ではその評価や扱われ方が変わるわけです。
日本ではあまり評価されていないものが欧州ではクールだったり、
北米でいくらクールと認知されていても日本人には響かないものなんていくらでもあります。

スーツにおいてもロンドンではどうなのか、ローマではどうなのか…という話はよく出てきますが、
いくら他国では良しとされていても現代を生きる日本人から見てピンとこないということは
往々にしてありますし、世界中で日本でだけやたら売れている生地、みたいなものもあるようです。

懐古趣味、原理主義に陥ることなく、流行り廃りに振り回さることもなく、
多様な地域・時代の価値観や文化を受け入れつつも取り込まれず、
着ていて心地よくちゃんと格好いいスーツとはなんだろうなんて考えだすとキリがないですが、
それでもその時その時の最大限よいバランスで仕立てたスーツをご提案できるよう、
日々精進していきたい今日この頃です。

そんなわけで、本日は「評価がよく変わるなぁ」と感じている生地のご紹介です。

今シーズン入荷した、カノニコの”オールシーズン向け”ウールモヘアです。

モヘアというと、ツヤツヤトロトロの生地が特に流行っていた15年くらい前は
ほとんど流行っていなかったように記憶していますが、
ドーメルがトニックを打ち出した1957年頃には重厚感と高い品質で大流行したこともありました。

最近ではむしろ重厚感を抑え、軽くても皺に強いというような機能性が再評価され
夏用のスーツ、パンツ生地として年々人気が出てきていると感じております。
今コレクションは高い機能性をそのままに、綾織りにしてシャリ感や通気性を抑えて、
これまでの出していたモヘアツイルシリーズとはまた一味違う表情になっております。

長年モヘアを愛してきた私としては子供の成長を見守るようにどうなっていくのかというハラハラ感と
毎年どんどん変わっていく喜びとが混ざり合って複雑な思いであります。

ギラギラし過ぎず、長く着られて、皺に強くて、それでいて普通過ぎない。
このバランス感がすごく今っぽい生地だと思います。

モヘア混をお召しになったことのない方も、モヘアは夏用だと思っていた方も、
軽い生地が好きな方も重厚な生地が好きな方も、ぜひ一度お試しください。
モヘアに対するイメージも、意外と簡単に変わってしまうかもしれませんよ。

今回ご紹介した生地が気になったという方はぜひお近くのファイブワンまで。

皆様のご来店を心よりお待ちしております。
ファイブワン大阪本店 中村

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