生地の毛並み?
こんにちは
本日は「生地の毛並み」についてお話です。
オーダーで生地を選ぶ際、ついつい色や柄といった2次元の情報で生地を見てしまいますが、
それなりに厚みのある生地や起毛して毛足の長い生地の場合、
毛の生え方や光の当たる角度というような3次元の情報が大きく意味を持つことあります。
この毛足と光の見え方について検証したパンツがありますのでご紹介致します。
下の二本のパンツは毛足の長いコーデュロイの生地ですが
なんとどちらも全く同じ色品番です。
明らかに左のパンツの方が濃く、右のほうが薄く見えますね。
これが毛の向きによる表情の違いです。
向かって右のパンツのように、毛先の向きがはいた時に下方向に流れるようにする順毛で仕立てると
それぞれの毛の光の反射が強く出る事もあって白っぽく見えやすいです。
ホコリが付きづらいので毛足の長い生地でコートを仕立てる場合は基本的に順毛で裁断します。
左のパンツは逆方向に裁断された逆毛で、毛の影が強調されトーンダウンして見える場合が多いです。
もちろんもともとは同じ生地なので角度によってはあまり色の差がでない角度もあります。
ここまで明確な差が出る生地は経験上毛足の長いコーデュロイやベルベットくらいかなと思いますが、
例えば220gmsの生地と300gmの生地をクリアミルドで同じ色の糸で織ったとしても、
やはり見え方は変わってきます。
ちょっとした織り方の差、わずかな糸の配色の差、素材のちょっと差などが
仕上がりに少しずつ影響を与えます。
すっかり涼しくなり、秋冬の生地を検討されている方も多いかと思いますが、
色・柄以外の要素にも少しこだわってみると、また新たな世界が開けるかもしれません。
スーツがご入用の方は是非お近くのファイブワンまで。
皆様のご来店、心よりお待ちしております。
ファイブワン大阪本店 中村
【コロナウィルス対策】
お客様に安心してご利用いただけるよう、下記内容を徹底しています。