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来るべきグレンに、備えよ

こんにちは

題名は1930年のある雑誌の見出しでございます。
当時の記者は「今後グレン・プレード・スーツは全国的に流行し、
50ドル以上のスーツを6着以上もっている男性だけではなく、
1シーズンを1着で過ごす若者や1着に22ドル50セント以上もの支出ができる中年男性等
多くの男性に受け入れられる」と予測しました。
彼の予想は見事的中。
90年前は人々にとって新鮮で流行の柄であったグレン・プレードも、
今やすっかりおなじみの柄になりました。

グレン・プレードとは日本語で言うところのグレンチェックでございます。

プレード(プライドとも表現されます)とは格子柄でも
特に多色使いの格子や柄のはっきりしない格子を指します。
日本では全て「チェック」で表現しますが、
欧州ではシンプルな四角形を指すチェックとプレードを分けて表現します。

ここ数年は、生地業界は世界的に「格子柄推し」で、
柄のバリエーションも年々増えているように思います。
ここまで流行ってくると、ずっと無地しか着てこなかったという方も、
どこかで格子柄を着てみたくなるかもしれません。
そんな時、まずおススメしたくなる格子柄が、
この「グレンチェック」なのです。

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グレンチェックの言葉の由来としては、
アーカートと言う名のグレン(ケルト語の谷、渓谷)で生まれた格子柄、
グレン・アーカート・プレードから
短くなってグレナカートプレード、さらに略して
グレン・プレード(グレンチェック)と呼ばれるようになったというものが有名です。
シンプルにグレナカート家のタータン(氏族独特の柄)だったという説もありますが、
「グレナカート家」という一族のことを調べてもそれらしい資料が見つからなかったため、
グレン・アーカート・プレードの方の由来を個人的には支持しています。

1923年にグレンチェックのダブルのスーツの皇太子が米国に訪問した際、
感度の高い人はすぐにその柄の可能性を認識しましたが
それを見た一般人が直ちに真似をして着始めたというわけではなかったようです。
と言うのも当時は柄の合ったチェック柄のスーツを仕立てるのは大変困難とされ、
その分無地のスーツと比べ格段に高価なものでした。
まずは豊かな名士や映画スターなどが着るようになり、
そこから「一般人の憧れのスーツ」というイメージと共に少しずつ広まっていきました。
それがどうやら1930年代だったと思われます。
今では技術の研究も進み、当店でも格子柄で追加のお値段を頂くようなことは
ありませんのでご安心下さい。
(工程の手間は増えますが…笑”)

グレンチェックは、単に昔からあるだけの柄ではありません。
数多くの色や柄の組み合わせが生まれては消えていきた中で生き残り、
王道となって多くの人に受け入れられ続けた歴史と、
それだけの生命力の強さを持っているクラシックな柄なのです。

クラシックはモード(流行)と比べると退屈に思われるかもしれませんが、
若い方には「安心感」を、少し枯れ感のでてきた年配の方には
ほんのり「力強さ」を与えてくれます。
「似合わない」なんて自分で決めつけずに、是非一度チャレンジして頂ければと思います。
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やはり定番のグレーがスラックだけでも履きやすくておススメですが、
他のお色も沢山ございます。
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ちなみに1930年代のアメリカではシングルの白いリネンのジャケットに
グレンチェックのスラックスを合わせるのが定番の夏場のコーディネートだったようです。
こういったスラックス単品での汎用性の広さも、クールビズを迎える
日本の紳士におススメしたい理由でもございます。

皆様のご来店、こころよりお待ち申し上げております。

( 参考 O.E.ショーフラー著 『エスカイア版20世紀メンズ・ファッション百科事典』)

ファイブワン大阪本店 中村

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