好きな人にはたまりません
こんにちは
生地の世界には、国ごとで全く違う名前が付いている生地があり、
そこから国々の感性や美意識が見えてくるものございます。
例えば日本では杉綾織り(杉の葉)と呼ぶ柄は英語圏ではヘリンボーン(にしんの骨)、
イタリアではスピナ・ディ・ペッシュ(魚の骨)やスピナガート(矢筈模様)と表現したり、
大柄の場合はシュヴィロン(山形の袖章)とも呼ぶようです。
また、日本で呼ぶところの千鳥格子(鳥)は
英国ではハウンドトゥース(猟犬の牙)あるいはドッグトゥース(犬の牙)、
イタリアでは小さい柄はピエ・ド・プール(雌鶏の足)、
大きい柄の時はピエ・ド・コック(雄鶏の足)と区別するようです。
それではこの生地の柄、皆様には何に見えますでしょうか?
この生地の名前は英語圏でいうところの「オートミール」という生地です。
オート麦やカラス麦を挽き割りにしてつくるシリアル料理の名前が浮かんでいた貴方は
相当な生地通か、限りなく英語圏の人間に近い発想ができる方なのでしょう。
他にもバーリーコーン(大麦の粒)という呼び方もありますが、いずれにしろ「麦を敷き詰めた」
イメージの柄といったところかと思われます。
ただし、一部の地域ではストロベリー(イチゴ)という表現もあったようです。
日本では猫が付けた足跡に見えるということで「ねこ足」と表現するようですが、
ただでさえ最近は珍しい生地だということもあって「ねこ足」と呼称する人に
私は今まで出会ったことがありません…。
ちなみにイタリアではカッペロ・ダ・プリーテ(司祭の帽子)と呼ぶようです。
前置きが長くなりましたが、本日はこのオートミールのご紹介でございます。
組織の形はこの図のようになっており、梨地織りという凹凸が強調されやす織り方の1種です。
凹凸がより出るように強撚糸を使う事がほとんどで、大変ハリコシのある生地になります。
生地感は粗いにもかかわらず大変洗練された印象の柄で、
ツイードっぽいけどツイードではない独特の風合いが特徴でございます。
画像で紹介しておりますW.BILLのオートミールは、
かなりカントリーな雰囲気を出しつつギリギリお仕事用のコートでも使えそうな生地感で
有りそうで無い所を見事についており、英国好き・クラシック好きな方には本当におススメですよ。
「カシミアのコートは扱いが難しそう」、「コートはザクっと羽織って多少雑に扱いたい」という方には
運命の一着となるかもしれません。
少しでも気になった方は、まずは大阪本店まで生地を触りにいらして下さいね。
皆様のご来店、心よりお待ちしております。
ファイブワン大阪本店 中村
06-6136-6169 ファイブワン大阪本店
092-406-3235 ファイブワン福岡店