ネクタイを考える
こんにちは
6月も半ばに差し掛かり、本格的にクールビズの様相を呈してきました。
このシーズンになると毎年あれこれ考えてしまいます。
クールビズというもの自体が、どういう意味を持つのか。
古い価値観にとらわれず、布一つ首に巻く事をやめるだけで
冷房を使う量を減らして地球の温暖化を防いだ大英断なのか、
「合理性」が「歴史」や「文化」よりも価値があると皆が賛同したきっかけで、
今後も我が国は目先の金銭に繋がらない文化や歴史はすぐに切り捨てる
合理的なだけの国になっていくのだという予告なのか…。
自分には判断がつきません。
そんなことをあれこれ沈思しておりますと、
古本屋で面白い本を見つけたのでご紹介致します。
新潮文庫の「ネクタイの数学」です。
題名の通り、物理学者達が数学的なアプローチから
ネクタイの結び方等について考察し、加えてネクタイの文化的背景についても
かなり細かく書かれております。
日本語のネクタイの専門書はほとんど出会うことがないので、
貴重かつ役に立つ情報が満載です。
「ウインザーノット」というような自分にとって馴染みのあるフレーズと
Σが絡んでくる関数の計算が同じページに出てくるのは、不思議な感覚ではありましたが、
筆者が「ネクタイの結び方」などというテーマにぼ膨大な時間と労力をかけ、
それでいて何ら不遜な印象はなく「面白いことがわかったから聞いていってくれよ」
と話かけてくるような文章で、大変面白い本でした。
あれこれ自分ではどうしようもないことを考えるよりも、お一人お一人のお客様に
真摯に向き合っていきなさい、筆者に諭されたような気が致しました。
自分はまだ筆者が理論上可能だとする85種類すべて試したわけではないのですが、
ダブルノットとプレーンノットに加えて普段使いできそうな結び方に出会うことができました。
大阪本店に立ち寄られた際は是非一緒に新しい結び方の練習をしましょう。
ファイブワンオリジナルネクタイは上質かつテカテカし過ぎないシルクと、
美しいディンプルが作れるよう計算された芯材が使われており
新しい結び方にチャレンジするにはもってこいですよ。