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ファイブワンモデル(パターン/型)誕生秘話

こんにちは。ファイブワンの藤原です。

本日はファイブワンの直営店専用モデル(パターン/型)についてお話します。

ご存知の方もいらっしゃるとは思いますので、少し省略しますが、少々、ファイブワンのお話を。

ファイブワンは、1964年大阪枚方で創業。

5つのファクトリーが1つに集約し、共通のミッション「日本の技術を世界へ」と掲げたことがファイブワンの始まりです。1990年代、大量生産や低価格路線の波に飲み込まれそうになるが、当時の創業者が「手作業を多く工程に組み込む」ことに切り替え、マシンメイドの大量生産思考から「品質重視の少量生産」に路線を変更したことで乗り切ることができました。

2009年「ファイブワン工業」改め「ファイブワンファクトリー」として大阪・銀座に直営ブランド【FIVEONE】を初出店。2010年には神戸元町店をオープンしました。

ファクトリーブランド【FIVEONE】を立ち上げたことで、ファイブワン独自のモデル(パターン/型)が必要になったのです。それまでは、ファイブワンには、パタンナーはおりましたが、デザイナーはいませんでした。よって、クライアント(ブランド・セレクトショップ)から上がってきた「デザイン」をファイブワンのパタンナーが「形」し、それをスーツに仕上げるというモノづくりに徹しておりました。クライアント(ブランド・セレクトショップ)からのデザインを「スーツで表現」するのは、イメージを形にする具現化力とそれを実現する高度な技術が必要であり、現在もファクトリーが評価頂いている重要な要素でもあります。しかし、時にはそれは「自分達の作りたい(自分達がかっこいいと思う)スーツ」ではなかったかもしれません。

先程も触れました、「デザインを形にする」ことは、とてつもなく難しいこと。私が常に意識していることは、『電化製品なら1つでも不良があれば間違いなく欠陥品としてみなされる。しかし、洋服作りは、相手(お客様・クライアント)の意向を踏まえた上で、正解(要望)を提示しなければいけない』ということ。難しいんですよね。

そこでファイブワンの若手を中心に打ち合わせを行い、今まで50年間で作ってきたスーツを踏まえ、意見交換をしました。 今までのファイブワンのイメージは「着心地・立体感」。しかし、それらは、着用してみて、初めてわかることです。我々は、それに加えて、外形的にこれがファイブワンのスーツというのを打ち出したかったのです。【FIVEONE】のモデル(パターン/型)のコンセプトは、「5年後、10年後でも流行に左右されない形(モデル)」としました。

ファイブワンのスーツ作りを評価頂く要素に、目には見えない所(スーツの内部)に、より手をかけていることがあります。それを活かすために、デザイン(仕様)にもこだわりました。 例えばメンズスーツの形といえば、シングル2B・シングル3B段返り・ダブルブレストetc…。 レディースに比べるとメンズの基本の原型は変わっていません。解り易くいえば時代がグルッと回っている感じです。 ダブルスーツが注目されていますが、数年前もありましたよね。生地の柄でいうとグレンチェックなど。  

ファイブワンのモデルでこだわった箇所は多くありますが、あえて1つだけあげるとすると、それは、エリ(ラペル)幅です。   

特に20代のお客様から、パターンゲージ服の印象について、「エリ(ラペル)が太い」ということが挙がります。その場合、これはファイブワンのお願いですと伝えています(心の中では、5年後も廃れないからご安心をと思っております笑)。

もちろんFIVEONEはオーダーメイドなので、基本ゲージサイズよりプラスマイナス0.5まで指定できます。(無料)それ以上動かす場合でも、別型として対応させて頂きます(有料。)

近年、エリ(ラペル)が細いスーツ、着丈が短いスーツが売れていました。(現在はラペルが太いものが多くなっております)。

流行を取り入れることは必要ですが、もっと俯瞰して考えれば、当然長くは着れないですよね。スーツを、「使い捨て」だと割り切る方はもちろん別ですが・・。

 ファイブワンでは時代の変遷も汲み取り、エリ(ラペル)のサイズを決定しております。   

こちらのモデル(型紙)は2011年も使用中のMJKモデル

   P2050210ww.JPG  

スーツ(洋服)作りにはゴールがなく途方もないモノ作りです。お客様の目には直接触れない所まで、手を抜けません。それがファイブワンスーツの土台となり、10年間型崩れをおこさない、何よりきれいなシルエットを構築している所以です。

 私もこの業界の人間ではありませんでした。初めてファイブワンのスーツを着て感動した人間です。 ファイブワンファクトリーの経験と技術力が注ぎ込まれたスーツ=品質に「十分なこだわり」まで知って頂き、ファイブワンスーツに愛着を持って頂けるとうれしく思います。 【FIVEONE】として自信を持って提供できるのも、ファクトリーの「品質」が間違いないことを知っているから。

これからも「想いを形に…」を大切に、1人1人のお客様の一着のために、日々精進してまいります。                     

藤原 愛之